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2024.08.06

その子に合った学習法の発見まで

漢字は読めるのに、書くのが苦手なB君。

漢字の練習をしようとすると途端に表情も曇り、姿勢も崩れます。

漢字を書くのが苦手な原因を探るべく、そしてその子に合った学習法を探るべく、色々な遊びを重ねてきました。

・はそれぞれの遊びに対してのB君の反応、→は気付きです。

 

○漢字パーツパズル

以前のブログでご紹介した遊びです。

・楽しんで取り組みはする
→ドリル、プリントなど○×をつけられるのは苦手

・変な向きで部首をくっつけようとはしない
→漢字のパーツの認識はある

・線をだぶらせて使いたいとこだけ使うなど、独創性がある
自分なりに工夫をするのが好き

○3ヒントクイズ

シャッフルした絵カードを引き、お互いにそれを説明する3つのヒントを作り、当てあいっこをする。

・毎回2つまでしか出ない
→言葉で説明するのは苦手

・2つのヒントのうち、一つ目は毎回「色」
→もしかしたら物事をとらえるのに色覚が優位なのかも

 

○マジカルバナナ

リズムには乗せずに連想をつなげていきます。12個ぐらい出たところで、「これは何から連想したっけ?」と、逆戻りをしました。

・連想が出てくるのは早く、楽しんでいる
連想するのは得意

・12個ぐらい出たところで、逆戻りで思い出していくのもスムーズに思い出せる
イメージや連想がつながっていると、ちゃんと覚えることができる

 

他にも色々な遊びを取り組みましたが、上記の気づきを踏まえて、工夫、色、漢字のパーツ、連想やイメージなどを使った、以下のような学習法を試してみました。

 

 

漢字を語呂合わせで覚えるカードと、その語呂合わせからイメージする色をパーツごとに塗っていく漢字塗り絵

 

これが大ヒットで、「これなら覚えられそう!」と目の輝きが変わりました。

「知ってる漢字を練習しても無駄だよね?だからまずは自分が書けないこそ漢字が『お宝』だから、この秘密兵器を使うために、書けない漢字を探していこう!」

と伝えると、声掛けをしなくても20分以上黙々と書けない漢字を探してくれました。

 

上手くいったポイントとしては、

○その子の優位な感覚を使えたこと

○間違いは「ダメ」なものではなく、「宝探し」のようなもので、見つけたら「ラッキー」なものと捉えなおすことができたこと

があったかと思います。

 

「勉強ができるようになりたくない」なんて子は一人もいません。

いくら言っても勉強しない子には「勉強しない理由」があるのです。

その子がなぜ行き詰まっているのか、そしてどうするのがその子に合った勉強法なのかを、「仲間の立場」で一緒に考えていくことが私たちの大事にしていることです。