漢字は読めるのに、書くのが苦手なB君。
漢字の練習をしようとすると途端に表情も曇り、姿勢も崩れます。
漢字を書くのが苦手な原因を探るべく、そしてその子に合った学習法を探るべく、色々な遊びを重ねてきました。
・はそれぞれの遊びに対してのB君の反応、→は気付きです。
○漢字パーツパズル
以前のブログでご紹介した遊びです。
・楽しんで取り組みはする
→ドリル、プリントなど○×をつけられるのは苦手
・変な向きで部首をくっつけようとはしない
→漢字のパーツの認識はある
・線をだぶらせて使いたいとこだけ使うなど、独創性がある
→自分なりに工夫をするのが好き
○3ヒントクイズ
シャッフルした絵カードを引き、お互いにそれを説明する3つのヒントを作り、当てあいっこをする。
・毎回2つまでしか出ない
→言葉で説明するのは苦手
・2つのヒントのうち、一つ目は毎回「色」
→もしかしたら物事をとらえるのに色覚が優位なのかも
○マジカルバナナ
リズムには乗せずに連想をつなげていきます。12個ぐらい出たところで、「これは何から連想したっけ?」と、逆戻りをしました。
・連想が出てくるのは早く、楽しんでいる
→連想するのは得意
・12個ぐらい出たところで、逆戻りで思い出していくのもスムーズに思い出せる
→イメージや連想がつながっていると、ちゃんと覚えることができる
他にも色々な遊びを取り組みましたが、上記の気づきを踏まえて、工夫、色、漢字のパーツ、連想やイメージなどを使った、以下のような学習法を試してみました。
漢字を語呂合わせで覚えるカードと、その語呂合わせからイメージする色をパーツごとに塗っていく漢字塗り絵
これが大ヒットで、「これなら覚えられそう!」と目の輝きが変わりました。
「知ってる漢字を練習しても無駄だよね?だからまずは自分が書けないこそ漢字が『お宝』だから、この秘密兵器を使うために、書けない漢字を探していこう!」
と伝えると、声掛けをしなくても20分以上黙々と書けない漢字を探してくれました。
上手くいったポイントとしては、
○その子の優位な感覚を使えたこと
○間違いは「ダメ」なものではなく、「宝探し」のようなもので、見つけたら「ラッキー」なものと捉えなおすことができたこと
があったかと思います。
「勉強ができるようになりたくない」なんて子は一人もいません。
いくら言っても勉強しない子には「勉強しない理由」があるのです。
その子がなぜ行き詰まっているのか、そしてどうするのがその子に合った勉強法なのかを、「仲間の立場」で一緒に考えていくことが私たちの大事にしていることです。