C君は車が大好きだそうです。
でも車の話をしていても、中々興味を示しませんでした。
話していくと、どうやら「車」が好きよりも「クラウン」が好きなようです。
そこで、書字練習、情報処理をねらいとして、学習時間の最後にクラウン図鑑を作ってもらいました(とはいっても、楽しんでやってもらうことが一番大事なので、あくまでもオマケにすぎません)。
こちらはインターネットから画像を取ってきて、画像だけ乗せた紙と、情報がまとめてあるページを準備しました。
情報を読み取って、これは〇年~〇年に発売されていたS220系で、とく長はハイブリッドがある、など、自分の気になった情報をまとめます。
途中、アルファードの長さは4975㎜と書いていたので、部屋の中で実際にメジャーで測って、自分の大きさと比べてみたりもしました。
3回寝そべってもまだ届きません。「おっきいんだねー!!」
この活動が楽しいようで、2か月にわたり、クラウンとアルファードについて図鑑を作ることを楽しみに勉強も頑張りました。
せっかく完成したクラウン・アルファード図鑑、トヨタのお店の人に見てもらおう!という事で、札幌トヨタ厚別店さまにアポを取り、披露させていただきました。
名刺を作り、施設で練習してきた名刺交換もバッチリとできました。
初めて見る綺麗なカタログを前に、店長の説明を緊張しながらも一生懸命聞きます。
「この形はアスリートかロイヤルか分かるかい?」などの質問にも「アスリートです!」と敬語でしっかりと受け答えができていて「よく調べているね!」と褒められ、照れ笑いです。
すると店長から、「本物のアルファードに乗ってみるかい?実はC君のために用意していたんだよ」と嬉しいサプライズが!
店長が離れたところで文字通り「飛び跳ねて」喜んでいた姿を見て、私も横で見ていて涙が出そうになりました。
いざ、本物のアルファードに乗りこみ、興奮しながらも初めてアルファードのハンドルを握ります。
まるで高級ホテルのような内装、装備に目を奪われつつ、素敵なポイントについて詳しく説明してもらいました。
最後に店長から「実はお土産があるんだ」と、まさかのプレゼントです。お店では買うことができないお土産に、驚きと嬉しさが隠せないC君。
最後に店長から
「一生懸命勉強して、整備士になったらいいよ!大きくなったら好きな車を買えるように頑張って勉強して働こうね!」と。
目をキラキラさせながらうなづくC君。
C君がもらった一番の宝物は、自分が一生懸命楽しんで作った作品を、真剣に受け止めてくれて認めてくれた人がいた、そのことなのかもしれません。
この経験がC君にとっての自信となり、C君の、C君らしく満足のいく人生につながればいいなと思います。
札幌トヨタ厚別店様、店長の高橋様、ご協力本当にありがとうございました。